引用:フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと(任天堂Switch)
フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと
予算 2,241円(税込)PS4ダウンロード
予算 2,200円(税込)Switchダウンロード
Contents
独身貴族体験する映画第2弾 ゲーム『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』
体験する映画第2弾としておすすめするゲームは、『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』です。
体験する映画としてご紹介した第1弾『BEYOND: Two Souls』とはかなり違う印象を持たれるでしょう。
ですが、こちらも体験するゲームとしておすすめさせていただきます。
この作品も、今まで独身貴族でご紹介した海外発の独立系開発会社の作品です。
発売はPC(steam)がはじめで、それからPS4やSwitchへ移植されました。
全てDL販売のみで、ゲームソフトでの販売はありません。
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』はジャンルとしてアドベンチャーに分類されますが、このゲームは絵本に迷い込んだような、不思議なグラフィックと操作感。
超絶美麗なCGというよりは、どこか不気味なグラフィックで不安感を掻き立てるような画面です。
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』あらすじ
ストーリーは
“あなたは人気のない森の奥、フェンスを押し開け、思い出のフィンチ家に戻ってくる。
増改築を繰り返した屋敷は遠めに見てもすぐに分かる奇妙さ。
何故、主人公・エディスは突然引っ越したのか……空き家になったフィンチ家を探検し、この奇妙な屋敷で起こったことを体験する。”
というもの。
引用:制作会社:アンナプルナ・インタラクティブWikipedia
体験する映画として独身貴族がおすすめする理由
ここまでの記事を読んで「映画っぽくないじゃないか」と感じられたかもしれません。
しかし、映画にも様々な種類があります。
いうなれば『BEYOND: Two Souls』はハリウッドのアクション映画。
今回の『フィンチ家の愉快な屋敷でおきたこと』は、フランスのミニシネマ系オムニバス映画です。
セーブ画面は木の絵。これはストーリーが進み、フィンチ家の人々がどうしてこの屋敷を去ったのかが分かると、それぞれの枝に似顔絵が記入されていく……つまりはファミリーツリーです。
ファミリーツリーはその名の通り家族を木で表したものですが、家系図を意味します。
フィンチ家の呪われた血筋が、人々をどのように窮地に追い立てたのか……あなたはそれを見、アクションで追いかけ、ファミリーツリーに書き込むのです。
一族の歴史を追体験するゲームである今作で、このように進行度を見て分かる。クリエイターの知恵や思いが詰まっている画面です。
フィンチ一族、そして奇妙な屋敷の魅力
特徴的なゲームシステム
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』このゲームに特徴的なシステムは、メッセージウィンドウを廃した画面作りです。
フェリーで接岸しなければいけないような孤島にあるフィンチ家。
もう何年も人が来ていなかっただろう屋敷を探検するのに、メッセージはひとつの道しるべの役割を示します。
このようなシステムは正直はじめてみました。
ノベルゲームやアドベンチャーゲームでも、ほとんどの場合メッセージウインドウは固定です。
思い込みを逆手に取り、迷い込むような奇妙な屋敷での進むべき道を示す。
クリエイターの冒険が、風景と絶妙にマッチします。時にはメッセージを壊すことでストーリーが進んだり、メッセージで画面が見にくくなったり、プレイヤーに新鮮な驚きを与えてくれます。
唯一生き延びてフィンチ家に戻ってきたエディスの語り(英語ナレーション)と同時に、字幕が表示されます。
その字幕は風景や屋敷の壁、家具など、様々な場所に表示され、それを追って行くと道順になっているのです。
ゲームプレイヤーが歩く道のりとは
冒険する屋敷は、無秩序そのもの。まるで今さっきまで人が住んでいたようにそっくりと人の気配だけがありません。
そうやって、何故エディス自身がこの家を去ることになったのか、幼い頃「屋敷の半分に立ち入ることが出来なかったのか」を追いかけていきます。
住民たちにはそれぞれ個性的な趣味があり、それが反映された個室を持っています。
その個室を訪ねることにより、プレイヤーはその住民が「何故この屋敷にいないのか」を知ります。
そのひとりひとりの歴史、思いを、淡々と、時にはおもしろおかしく、時にはホラーチックに追体験していくのです。
結論、結末はあなた次第
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』こちらのゲームは明確な結論を提示することはありません。
あくまでそれぞれ住人が主観的に自分に起きた出来事を語って行くので、深くつながり合い最後に驚くような結末が待っている……!というストーリーではないのです。
一族のひとりひとりの一人称視点となり、その死の原因を見る。一族の人間の数だけ、その死が描かれる。
中には、心の中のものがたりもあれば、解釈に困る幻影をみることもあります。ただただ、プレイヤーはメッセージを探し、追いかけ、進むことにより屋敷を進み、一族の死を見届ける。
ゲームの大きなエンディングは1種類です。選択肢の分岐などはありません。
エンディングの解釈は割とはっきりと示されるのですが、それまでのそれぞれの人生の解釈や何があったかは曖昧なままです。
フィンチ家は呪われている、という先祖の言葉通りだと受け取るのか、「これには事情がある、偶然だ」と考えるのか……。
ひとつだけ言えるのは、この屋敷での探検も一族の一風変わった結末も、何が正解か示されることのない、ただ「おきたこと」でしかないということです。
とても評価の高いゲームです。ストーリーと斬新な展開、そして、グラフィック。クリエイターたちの描きたかった奇妙な屋敷の住人たち。
是非、一族の人間の死を、本人の主観によって描かれ続ける奇妙な世界観を、さまよってみませんか?
このゲームの不思議な魅力を、是非、あなたの目でお確かめください。