独身貴族では「大人の漫画」として数回に渡り取りおすすめの漫画を取り挙げました。
未分化状態のまま独自の判断で漫画をセレクトしたのですが、そのシリーズに対する反響の大きさに編集一同驚きを隠せません。
今回は掲載した記事をも含めて「大人の漫画」を再考察し、まだ読まれていない方にも分かりやすいよう「あらすじ」「おすすめポイント」などを再編集してみました。
Contents
独身貴族が定義する「大人の漫画」とは
ストレス多い社会と言われて久しい現代。
独身貴族では、そんな多忙な大人の皆様にふさわしい漫画を「大人の漫画」としてシリーズ化してお届けしています。
漫画は、小説でもない、絵画でもない、ですがどちらの要素も内包された独自の表現スタイルです。
絵やイラストが活字以上に饒舌である場合があり、また絵では表現できない細微な分析や人間の機微を伝達するセリフの力、その両方の良い所を高めた、ある意味、日本独自の芸術とも言えるでしょう。
おすすめの漫画を通して、「大人の漫画」で描かれるハイセンスなそれぞれの「大人の機微」が皆様に伝わればと思います。
「大人の漫画」の条件
趣味や楽しみの一環として週刊漫画誌・月刊漫画誌を購読している人も多いと思います。
漫画は自宅でひっそりと一人で読むものだとされている外国の「manga」とは違い、日本ではサラリーマンが電車の中で漫画を読んでいる姿もよく見掛けます。
コンビニエンスストアーで沢山の漫画雑誌や単行本が売られているのも日本ならではの文化です。
独身貴族では「大人の漫画」の条件の一つとして「物語が完結している」ことに注目しています。
自由に楽しみを享受し始め、それが一定の時間内に完結する。
忙しい大人のスケジュールを煩わすことのない「大人の漫画」の条件として重要なファクターだと考えるのです。
忙しい大人にお届けする「大人の漫画」3つのポイント
① 癒し
漫画を読むことによりイマジネイトする冒険や恋愛の追体験、またノスタルジー溢れる時代や生先端の次を占うSFの世界など、実際には存在しない世界を楽しみとして体現する時間。
それらの全てが日常生活には無い「癒し」に繋がるのではないでしょうか。よくある定型を外れた多義的なロマンに触れてこその「癒し」があるのです。
② ストレス発散
バッティングセンターやスマートフォンのゲームでは解消されない底堅いストレス。
それらを解消してくれるのは心からの「笑い」ではないでしょうか。テレビでいうならば、ゴールデンタイムにバラエティー番組が多いのもそれらに関係しているのだと思います。
駆け引き無くあなたを笑わせてしまう漫画には必ず無垢な「笑い」が存在しているはずです。
「大人の漫画」でセレクトされた作品の各シーンで、大人の皆様も思わず笑ってしまうことでしょう。
③ 自分と向き合う
完結した漫画を読むとは。
一つの人生を辿る、一つの生き方を享受する、そこには一本の映画にも似た濃密な時間があります。
壮大な物語の起伏、主人公の重要な決断、あるいは作者である漫画家の葛藤さえ、週刊や月刊といったタイムラグなくライブに感じることが出来るのです。
通読するライブな時間の中に「自分だったならば…」「やり直せるとするなら…」など、自分と向き合える瞬間が少なからずあるのではないでしょうか。
また完結した漫画だからこそ味わえる能動的な読破感もあることでしょう。
「大人の漫画」の見所 : 名言を紹介
『プラネテス』 名言
① 「Please save Yuri(ユーリを守って)」
『プラネテウス』は読み続けると何度も泣かされる場面に遭遇しますが、その最たるシーンがここかなと思います。ユーリはハチマキの仕事仲間ユーリ・ミハイロコフのこと。厳密にはセリフではなく、ユーリの妻の時計の裏に刻まれていた言葉なのですが、結果的にこの漫画を貫く「愛」を最も感じるシーンとなりました。
② 「無いんだ。世界のさかい目が」
このセリフは「なんか……、それでいいと今は思うよ」に続きます。上に続きユーリ・ミハイロコフのセリフです。
主人公が魅力的なのは当たり前ですが、主役を支える脇役陣のバックグラウンドドラマの深さも『プラネテウス』の持ち味。
『プラネテウス』は大人がジーンとくる名言の宝庫なのです。
『町田君くんの世界』 名言
① 「ゆっくりいこうよ」
漫画の中で一(はじめ)が何度か口にしたセリフです。
焦らないことは恋の極意の一つなのですが、それを恋をまだ知らない、恋に気付けない一(はじめ)が女子相手に語るとは…。
気持ちの色彩が非常に濃厚なシーンです。二人の関係の確認作業を焦るヒロインとのすれ違い感もなぜか心地いいんです。
② 「モノサシはひとつじゃないよ」
「正社員でなければダメだ」や「結婚していなくてはダメだ」など平均とされる幸福感覚を真っ向から「それは違う」と言い諭すセリフです。
金子みすずさんの『みんなちがって、みんないい』をも思い出させるこの漫画一番の名言。
大人でないと噛み砕けないこの難しいセリフを小学生相手に言う一(はじめ)がこの上なくかっこいいです。
「大人の漫画」をご紹介
『花田少年史』
・あらすじ
すべてがキラキラと輝いていた1970年代の日本。
腕白少年だった花田一路はオート三輪者にはねられ奇跡的に一命をとりとめた。しかし復活した彼は幽霊が見える様になって…。
・おすすめポイント
ノスタルジーでは片付けられない時代設定。
場面場面に描かれる旧式の日本が微笑ましいです。上質な「大人の漫画」が懐古趣味をこえた「昔」を呼び起こします。
・大人の漫画『花田少年史』をもっと知りたい
『アホガール』
・あらすじ
アホなヒロインが巻き起こすハチャメチャアホエピソードの連続。
黒崎くんとの恋?あり、小学生たちとの友情あり?、人間力のあるヒロインが繰り放つ物語は思ったより深い……のかな?
・おすすめポイント
4コマ漫画形式ですのでいつでも気楽に読み始められます。
漫画はこうでなくてはならない、そんなイデオロギーを取っ払った「大人の漫画」です。何度でも手に取りたくなるそんな不思議な魅力に溢れています。
・大人の漫画『アホガール』をもっと知りたい
『ハイスコアガール』
・あらすじ
対戦型ゲームで知り合った主人公・山口春雄とヒロイン・大野晶の小学生から高校生時代を描いた青春漫画。
恋に鈍感な春雄にヒロインの恋は届くのか?
・おすすめポイント
この漫画、自分の青春時代を思い出す人も多いのでは。
恋にゲームに、何もが新鮮だった青春という名の時間。
特に『ストリートファイター』世代にはドンピシャな時代設定です。ちょっとクセのある画風にも中毒性があります。
・大人の漫画『ハイスコアガール』をもっと知りたい
『湯神くんには友達がいない』
・あらすじ
主人公である湯神くんは野球部のエースで勉強も出来るハイスペック高校生。
しかしマイペースで「ぼっち」を楽しみ、自分の興味のあること以外には関わらないもったいない性格。
そんな湯神くんを取り巻くクラスメイト、後輩、友人たちが…。
・おすすめポイント
ストレスフリーに生きる湯神くんの言動は豪快にして爽快。
自分もこんな風に生きられたらなあ…と思うこと間違いなしです。
破天荒な主人公にそこはかとない癒し効果もあるから、やっぱり「大人の漫画」なのかなと思います。
・大人の漫画『湯神くんには友達がいない』をもっと知りたい
独身貴族は「大人の漫画」で大人の人生を少し手助け
どうでしょうか。皆様のお眼鏡にかなった漫画は見つかったでしょうか。
兎角、漫画は「漫画の様な話だ」と子供だましの比喩として使われることも多いですが、漫画のさらなる多様性から、近い将来その様な比喩が使われることもなくなるのではないでしょうか。
これからも独身貴族では皆様の人生のアクセント、癒しとなるような漫画を紹介したいと考えています。